第三回 関西オフ



 【9月17日(土)夜】

 現地でお会いする箱根少将さん(以下、少将さん)、富士奇跡さん用のおみやげを買ったり、果物を切ってパッキングしたり、車で同行するお二人用のおやつパックを作る。
 18時半、待ち合わせ。相模守太郎さん(以下、太郎さん)と猛馬飼育係さん(以下、猛馬さん)と会う。太郎さんから、立派な、今回の「オフのしおり」をいただく。お手数かけました。
 車内で聞く用のCDを車にセットし、出発。
 途中、浜名湖で食事休憩。京都が近くなってくると、異常に眠くなり、眼が痛くなる。申し訳ないけれど、ナカジ、フェイドアウトさせていただく。

 宇治の少将さん宅へ到着。
 太郎さんの、桶狭間合戦祭りのDVDを見せていただく。メイクがしっかりされている祭りで、格好いいなぁ、と思った。願わくば、メイクをしっかりされた姫になりたい・・・。
 DVD鑑賞後は就寝。
 ナカジは女子ということで少将さんが一室を用意してくださり(みなさますみません、ありがとうございました、、、)、そこで休ませていただく。少将さん、お気遣いくださりありがとうございました。

 【9月18日(日)】

 少将さん宅の近くにある、槇島公園へ。
 戦国時代、槇島城があった周辺。ここ、信長様が足利義昭に対して「おまえ、いらねぇ」宣言をなさり、室町幕府を終わらせた、歴史的な場所なのだ。公園は、本丸があった場所より南側に作られ、本丸があったと思われるところには、任天堂があった。

 中学の修学旅行で訪れて以来の宇治へ。
 宇治川沿いにある、先陣塚。
 源平時代、佐々木高綱と梶原景季が、源頼朝の命で木曾義仲軍を追討する際、どちらが先に川を渡って武功をあげるかを競ったところ。
 猛馬さんから、「佐々木が汚い手を使って勝った」という小話を聞いて、みなで驚き、また、笑う。どの時代にも、そんなことはあるのだな・・・。
 宇治平等院。
 敷地内に、頼政自刀の地がある。頼政と平知盛が戦った末のできごと。
 昔は、ベルばらなどの物語の世界に入り込んだような印象を持ったものだけれど、今見ると、けっこう寂しい感じが(笑)。風景になじんでいるというか、、、なんていうのでしょう。もちろん、その土地の人にとってはそこにあり続けているものだから、ナカジが昔持った印象を持ち続けている方がおかしいのですが。
 宇治川の流れが激しくて、穏やかな平等院と対照的だった。

 富士奇跡さんとの待ち合わせ場所・橿原神宮駅へ向かう途中、筒井城址へ寄る。
 筒井城は、筒井順慶の城。住宅地のクランクを抜けた畑の中にポツンと石碑が立っていた。小高くなっているところがあり、どうやらそこが本丸跡らしく、ちょっとだけ、戦国時代を感じた。
 本丸から見える場所には蓮が植えられていた。ちなみに(?)妻女山から見える畑には長芋が植えられていて、なんか、"そういう植物"に土地が活用されるのね・・・。

 橿原神宮方面へ向かう道は、ひどい渋滞。
 高耶と千秋がドライブしたのは国道169号だろうけれど、それと並行する国道24号を走り、天理市を通って橿原へ行った。この空気を高耶たちも吸ったのね、と・・・一人車の隅でヒソカに思った。
 その翌日、直江の運転するプレセアで高耶は24号を走っている♪

 かなり遅刻して橿原神宮駅に着く。
 富士奇跡さんと(ナカジは)二年ぶりに再会し、5人で明日香村へ行く。
 酒船亭で、少将さんが予約をしておいてくださった創作古代食をいただく。
 ヘルシーで、満足。(←ポイントが違う、、、。)
 好みの味付けで、おいしくいただいた。まさか古代人があんなにりっぱなご飯を食べていたとは思えないのだけれど、、、ちょっと古代の宮廷人気分を一人ヒソカに味わった。
 古代酒(もどき?)の白酒がとてもマイルドで、飲みやすく、おいしかった。猛馬さんと少将さんの"宴会"は楽しそうだった。
 それから、ひたすら明日香村を歩いた。
 飛鳥寺、甘樫丘、水落遺跡、板葺宮跡、酒船石、亀石、橘寺、川原寺。
 3年くらい前か、正月にレンタサイクルで周ったことがあるのだけれど、その時の閑散とした、怖いくらい寂しいイメージが払拭された。自転車がそこかしこに止まっていて、観光客が本当に大勢いたのだった。(連休だし、当たり前。)
 ひとまわりしてから、民宿「岸田恵子」へ。
 荷物を置いて落ち着き、夕食に「飛鳥鍋」をいただく。飛鳥鍋=牛乳鍋。鶏肉と野菜が入った鍋で、最後には雑炊で食べきる。
 ちょうど「万葉の明日香路に月を観る会」という、明日香村の風流なイベントが行われていて、そのメイン舞台である石舞台古墳まで食後の散策。メイン舞台とはいえ、石舞台古墳の上で歌ったり踊ったりするわけではありません・・・。
 背後に月がある石舞台古墳は、ナイスな撮影会場になっていた。
 村の道路中に、ろうそくが置かれ、柔らかい明かりのイルミネーションは素敵だったのだけれど、どう見てもお盆みたいなイベントで、「その辺をウロウロしている幅広い時代の明日香の霊を沈める」イベントに思えて仕方がなかった。

 【9月19日(月)】

 民宿の朝ごはんをしっかりいただいて、出発。
 高取城址へ。
 山城。
 車で上れるところまで行き、途中からは山を登る。とはいえ、まあ、普通に小高い丘を登る程度。しかし体調をくずされた富士奇跡さんは大事をとって、車まで戻り、4人で本丸を目指した。
 ここは石垣ががっちり残っている。クランクで敵兵を困らすこともいっぱいやっていて、それが残っている。石垣しかないけれど、石垣だけでも、いや、石垣が残っていたから、十分に見ごたえがあった。この石垣の上に、本丸や櫓などが現存していたらテーマパークになっていたかもと思うくらい、すごい規模だった。
 本丸の場所から、太郎さんは車の方へ着た道を戻り、少将さん、猛馬さんとナカジは、ふもとまで別の登山道を下る。
 途中、国見櫓という見晴台があった。国見というくらいなので、大和国が見渡せ、耳成山や畝傍山などが見えた。かすみがかっていたけれど気持ちの良い風景で、ここに来て良かった!と思った。やはり、山は登るものだな。ちなみに、本丸から見える景色は、国見櫓から見える大和国とは反対の方向。つまり、本丸と国見櫓とで全方位的に眺めることができるようになっている、ということだった。
 この高取城は、江戸時代初期と幕末と、両方で活躍している。
 幕末については、司馬遼太郎が本にしているみたいなので、ここを登った(というより下った方が量的には断然多い!)からには、読みたいもの。
 ここはとにかくすごかった。今回のオフで一番印象に残った場所。

 高取町観光協会で先に車で移動していた太郎さんと富士奇跡さんと合流し、子嶋寺へ。高取城の城門が移築されて、ここにあった。
 車内、高取城でものすごく汗をかいたナカジの体から出るムンムンとした熱で、もしかしたら富士奇跡さんを圧迫していたかもしれず、ごめんなさーい。

   キトラ古墳と高松塚古墳。
 保存目的で囲われ、というか、宇宙プラント、という感じになっていた。

 郡山城@大和郡山。
 こちらも石垣が立派な城址公園。
 高取城もそうだけど、シャープかつ優美で緩やかな曲線にナカジは弱く、石垣フェチになってしまうかも、と思う。
 信長様の後押しがあって筒井順慶が松永久秀を破り、大和を統一するに至った。そして順慶が郡山城を築くわけだが、本格的に築城したのは豊臣秀長らしい。
 柳沢神社の奥、石垣がつまれているところが本丸跡になっている。脇には堀。そして電車の通る音が聞こえる。・・・ここでパジャマ姿のなぎが意識を戻し、「私って、夢遊病者・・・?」と思ったのだ。なぎの危機を高耶・直江・千秋が救いに現れ、ここで佐々成政と戦っている。
 石垣の立派さに感動していたのだけれど、「ここで直江たちが☆」とヒソカに思っていたりもした。


 欧風料理屋の「MASUTEI」で昼食。というか、フランス料理店でランチ。
 オフ会でこういうまったりした落ち着いた時間を過ごすことはまずないので、時々は、そして、動きまわっていた後なので、いいな♪と思う。
 ナカジはメインにお魚をチョイス。前菜からデザートまで、あっさりしているけれど味はしっかりしていて、おいしかった。

 薬師寺。
 美しいね・・・。
 五重塔の影の写真が撮れるかな、と思ったけれど、時間的に、影が出る場所に無理があり、撮れなかった。
 あれはじっと眺めていていい・・・。氷れるナカジ。。。((C)フェノロサ)
 金堂の月光菩薩の前で、同じように腰をクネッとさせて真似してみたら、菩薩が微笑んだ気がした・・・。

 平城宮跡・朱雀門。
 とにかく広い! ここが大昔の政治の中心だったのかと思うと、なんともいえない気持ちになった。
 このかつての政治の場を、近鉄の線路が横断しているのも、おもしろい。
 オフの最後を締めくくるにふさわしい、壮大で、広大な場所だった。

 平城京近くの駅で、可憐だけど芯は強そうな(もちろんいい意味で)富士奇跡さんと別れ、宇治では今回のコーディネート・ツアコンをしてくださった少将さんと別れ、3人で関東へ向かう。
 途中、浜名湖S.A.で休憩をとる。
 猛馬さんが、ビールではなくてジュースをチョイスしているのが意外でおかしかった。が、S.A.なので、ビールがなかったのだ。
 日付が変わったため、太郎さんに自宅まで送っていただく。
 猛馬さん宅、太郎さん宅、ウチが、246号で結ばれていることがわかり、意外と近いこともわかった。とはいえ、ずーっと運転し続けの太郎さんに、ご自宅を越えてウチまで来ていただいたことに対して深く感謝。
 「CDを忘れないようにしなきゃ」と浜名湖くらいまでは思っていたのに、帰宅後、太郎さんから「CD忘れてます」とメールをいただくまですっかり忘れてしまっていた。


 おわり



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