春日山城(新潟) 【2006/08/16】



 帰省すると必ず訪れる、川中島古戦場。今回も、新幹線を降りたその足で、謙信公のお目にかかりに、行った。
 その晩、「どこか行きたいところある?」と問われ、「松本城か春日山城」とナカジは答えた。

 翌日、春日山城へ向かった。

 インター料金所のおじさんに、春日山城の方向を聞けば、「今日から謙信公祭りだからねぇ」と言われた。
 「えっ」
 祭りは14、15日で終わっていたはずで、だから来たのだが、16、17日だったようだ。
 結果的に、祭りのときに行ったことは良かったのだけれど、この瞬間は、込み具合などを想像してちょっと気が重くなっていた。
 春日山城の方向へ行くと、途中から交通規制で一般車は進めないことに。春日山駅に車を止めて無料シャトルバスを利用してね、とボランティアの方に言われたため、駅へ行く。
 バスに乗り、ボランティアの方の解説を聞き、山道の途中で下車。
 そこからちょっとした坂道を登ると、茶屋があった。「謙信そば」に惹かれたが、山菜と豚肉が載っているそばを作ればいいのね、とお腹がすいていないこともあり、素通り。
 城址公園入口に着けば、謙信公の銅像が!
 そこからは直江津の町を眺めることができるのだが、謙信公はそれとは違う方向(信濃の方だろうか・・・?)を見て立っていた。

 ボランティアのおじさんが、おじさん一人を連れてやってきた。
 「これから本丸に行きますけど、一緒にどうですか? 30分程度ですよ」
 ガイド付き!
 待っているから行ってらっしゃいという母を置いて、ナカジはおじさん二人に付いて行った。
 サイトで、ミラージュファンの方々が春日山城を訪ねた記録には、この山はとても大変、とあった。が、ナカジにしてみるとですね、「もっと大変な山城はある」で、けっこう楽。スカートでも登れる。(パンプス、サンダルは不可。)ただし、大手からの方(城址公園入口から時計回り)が良く、逆からだと、なかなか最初の見所が来ないので、気分的に辛くなるかもしれない。
 このボランティアのおじさんがとても丁寧に解説してくださり、一人だったら見逃してしまいそうな、古のままのものや、古の状態に近いものを感じさせてくれたりして、いろいろと教えてくださった。こういうことは祭り期間ならではだな、と思った。
 城を1時間くらいかけてひと回りし、ゴールの春日山神社へ。ボランティアのおじさんにお礼を言ってお別れし、母と神社を参拝した。
 既に何かのイベントを終えた武将が賽銭箱の脇で昼寝をしていて、この大胆な寝姿は見ていておもしろかった。
 城址公園を出て、またシャトルバスで、近くの林泉寺へ行った。
 林泉寺は、謙信公の祖父・長尾能景が創建した長尾家の菩提寺。謙信公は7歳から14歳まで、ここで学んでいる。
 この日は、川中島の合戦演習(チャンバラ、です)があったり、林泉寺で出陣報告をやったりしているため、町中に甲冑を着た御仁がいっぱい! 林泉寺拝観中、謙信公や色部勝長、柿崎晴家(景家の方だったか、記憶が定かではない)という旗指物を背負った武将がやってきた! きっと、ナカジ知人たちはいるのだろうけれど、甲冑を着ていると、判別できないのだった・・・。
 そして、甲冑をきた人々を搬送しているのが自衛隊の方々!!!! あの、自衛隊の荷台に、みなさん乗せられて各会場まで運ばれているのだ。確かに、あれくらいの規模じゃないと甲冑を着た方々をまとめて連れていくことはできないだろう。ナカジもあれに乗りたいので、早いとこ謙信公祭りに参加したい、と思った。


 春日山城は、純粋に上杉を感じたい気持ちと、ミラージュの大ラスを感じたい気持ちと、両方持って訪れた。
 実はまだミラージュ全巻を読めてはいない。感情移入しすぎてしまい、辛くて、また、体力的にしんどく、ある巻から全く読み進められないのだ。ただ、大ラスだけは読んでしまい、「やはりこういう結末になってしまうのか・・・・」と寂しいような、むなしいような、救われない直江がかわいそうだったり、とにかく複雑な気持ちが入り乱れている。
 『結局、好きなのにお互い全く素直になれない、みたいな。それで相手の魂が死んじゃったらどうにもならんじゃんかよー。全然届かないところに行くなんて、許さんぞー』、と。。。

 本丸から頚城平野を眺めて、胸がキューとなった。
 関川周辺の住宅地を腕で隠して眺めてみると、古の景色と同じなのだそうな。謙信公も眺めた景色かと思うと、重臣たちがここを走っていたのかと思うと、直江や千秋が景虎(高耶)や闇戦国を思って眺めたかと思うと、景虎が眺めたかと思うと、確かにココに戦国時代があったのだと感じる。真っ青な秋の空に、歴史の深さや古の人の気持ちがたゆたうのを感じた。


 書きながら、涙ぐんでしまうので、このレポは終わり。
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