特別展「江戸城」(江戸東京博物館)【2007/01/28】



 タロさん、トウホさんからお誘いいただき、両国へ出かける。
 朝から人身事故に会い、ナカジは大幅な遅刻をするが、彼らは常設展をじっくり見ていて、待つ間も飽きなかったそうな。ごめんなさい&特別展を待っていてくださりありがとうございました。

 合流したナカジも常設展から入る。
 江戸時代から明治、関東大震災、東京大空襲と様変わりしてゆく江戸をタイムスリップするかのように体験。手がこんでいるミニチュアは、活き活きとしていて、噴出しを作りたいくらい、素晴らしい!
 江戸の町並みというのは素晴らしいですよ。効率的にできていて。それが明治の銀座の有様は「これまでは何だったんだー」というくらいに西洋チックに激変してしまって、日本人って面白いな、と思った。節操ない、っていうんですか?(笑)
 常設展だけで3〜4時間過ごし、けっこうな体力を使う。
 レトロ喫茶でランチをとり、いよいよ特別展へ。太田道灌が江戸に城を築き、以降、政治的拠点として発展した江戸。そのシンボルとなっていた江戸城を、残された古文書や絵巻などから検証しよう!という企画。
 なのだけれど、江戸城の内部に迫るというよりも、その周辺の、織田家、豊臣家、北条家、八王子城関係の出土品に目を奪われたナカジ。
 なんと、信長様が「天下布武」の朱印を使った書状としては初見とされている「松岡氏に所領を与える書状」があった(ワクワク)!!! 永禄10年11月のもの。桶狭間は永禄3年なので、7年後には天下布武を使っていたことになる。天下布武構想は随分と早かったのだ。
 また、安土城から出土している「黄瀬戸」という花器があった。この形が奇抜で、T字型。花を立てて飾る感じでしょうか。信長様、考えることが面白いです。こういう独創的なものが見られて、嬉しい♪ 信長様にちょっと近づいた感じ?

 庭の草花を眺めている美弥のもとに信長がやってきた。
 「美弥は花が好きじゃの」
 「殿と初めて会うたとき、再会したとき、常に花がありました。殿と私を結ぶものでござりましょう・・・?」
 美弥は、信長が隠し持っているものが気になった。
 「うむ。美弥にこれをやろう」
 そう言って、信長は美弥の目の前に奇妙なものを差し出した。
 細い筒の上に平たい皿が乗っている形の、瀬戸物だった。筒には、何かを入れることができるようだが、美弥には見当がつかない。
 「何で・・・ござりましょう・・・?」
 「うむ。美弥の好きな花を立てて活けるものじゃ。この筒の部分に茎や入るだろ? そうして、花だけがこのお皿の上に広がるのじゃ。上から見ると、きれいじゃろ? 普通は、床の間に飾って一定の角度から見るだけじゃが、これは花を中心に一周できる上に、上からも見られる! 己中心ではなく、モノを中心に持ってゆき、己がその周りを動くのじゃ」
 「殿・・・。お気持ち、嬉しゅうござります」
 「花は立体的なものであるから、平面で見ているだけでは、つまらないだろう。この空間上、めいっぱいに花を楽しめるぞ!」

 次の展示ゾーンに進んでいったものの「やっぱりまた見たい!」と戻り、じーっと、一人こんな会話を妄想していた。(ナカジの妄想をご存知ない方には何の話だかとんとおわかりにならないかもしれませんが、こういう夢小説を書きまくっています、サイト上。)
 こんな理由で信長様が作らせていたとしたら、いいな♪
 秀吉の聚楽第からの出土品もあった。それらも初めてだったから、けっこう興奮した。瓦に金箔を施しているのだけれど、その作業が雑な感じが、成金的?(苦笑)

 江戸本編については、地名はこのころからずっと続いているものなのだなと思うと、不思議な気持ちがした、というか、何ていうのだろう、江戸は本当にあったんだなというか、"続いている"んだな、というか。
 御見附というのは、江戸城の城門だったらしく、赤坂に城門があったのでしょう。江戸の玄関口に宿があり、内藤新宿。新宿は「新宿」ではなく「宿」だったんだ、とか。芝浦は、「芝の浦」だったんだ、とか。東京湾沿岸は、「○○浦」がいっぱい。おもれーよ、おもろすぎる、地名。

 「官位須具呂久(かんいすぐろく)」という、官位ランキング表があった。左馬頭とか治部大輔といった官位が順番に升目に書かれている。上を目指して出世しよう、ということなのでしょうか。あ、すごろくというのは、ここからキタ?

 江戸時代の食事・お菓子(おやつ、というよりも、神様にあげるタイプのもの)の展示には惹かれた。
 豆腐が人気だったらしく、あらゆる豆腐料理がお膳にあった。
 「今度、江戸時代の料理を作ったり、作ったのを持ち寄ったオフやりましょう」と盛り上がり、とても楽しみな今後。
 閉館時間までいて、足は棒のように・・・。でも、とても楽しかった。このワクワクする気持ち、久しぶりで。タロさん、トウホさんの解説付きだったので、普通以上に楽しめ、とても感謝するのであります。


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