『日本史サスペンス劇場 本当にあった秘事件 嫉妬&裏切り&情事』
〜信長外伝 ファーストサムライ〜
【2007/09/18放送】




 龍馬暗殺のナゾなど、日本史上のナゾを取り上げた番組。
 ここでは信長様に関することのみを取り上げます。



 天正9年冬、キリスト教を保護した信長のもとに、長崎・イエズス会の宣教師がやってきた。
 ルイスフロイス、ヴァリャーノと共にいたモザンビーク出身の黒人宣教師に、信長は目を奪われた。
 黒いことが信じられず、信長は真冬に水でゴシゴシと体を洗わせた。もちろん、色が落ちることはなく、よくやく納得した信長は言った、「欲しい」。

 ヤスケとして召し上げられることになった。

 ルイス・フロイスは信長について、声が耳に心地よい・厳格・名誉心に富む・神仏軽視・無神論者と書いている。
 その無神論者の信長が、「みなが儂を拝めば簡単ではないか!」とおっしゃった。
 自らが神となり、権力の頂点に立ち、人心を支配しようと思ったのだ。

 モザンビーク人のヤスケには、武士の身分を与え、家臣の一人とした。ここにファーストサムライが誕生。
 体格よく、タフで負けず嫌い、勇ましいボディガードとなり、信長は誰よりも頼りにした。いずれは侍大将にしようと思った。
 信長は、出自にはとらわれない、能力主義を貫いていた。秀吉、滝川一益、光秀は、この主義で拾われた人たちだ。
 しかしヤスケに、戦での活躍チャンスはなかなか来なかった。

 そして、天正10年6月、本能寺。
 光秀に攻められ、これがヤスケの初陣となってしまった。

 明智軍に攻め囲まれ、ヤスケは何人もの敵を倒した。
 「逃げ道はわたしが作ります。上様はお逃げください!」
 「光秀のことじゃ、逃げ道なぞあるはずがない。・・・ヤスケ、そちは落ち延びよ。待っているものもいよう。生きるのじゃ!」
 ぐずぐずするヤスケに信長は言う。
 「早く行けっ!」

 それから信長は自害した。
 ヤスケのその後の消息は知られていない。





 殿が黒人を洗わせたエピソードは有名です。
 が、本能寺の最期にいたとは知りませんでした・・・。
 ヤスケを落ちさせる場面の格好いいこと・・・。殿は男らしい!





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