戦国関連の食






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 「老伴(おいのとも)」/柳屋奉善(松阪)【2014/02/23】


 後に利休七哲のひとりとなる蒲生氏郷が、信長に仕えていた時代に初代に作らせ、茶会で信長にもてなしたと、つまり、殿が食べたお菓子です。
 お店は天正3年創業です。1575年、長篠の戦いがあった年、まさに殿の時代!
 リアルではないですか!
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 鴻の両側に「延年」(不老長寿)の文字。
 もともとは「古瓦」の名で販売されていたようですが、松阪の名家・三井高敏氏が、白楽天の詩集にある句から二字を選び、「老伴」と名図けられたそうです。(三越の創業者・三井家の人だと思いますが、彼が創業者ではないですよねぇ??)

 ひっくり返してみると・・・
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 なんと、羊羹部分が赤いのです。ふたのない最中、でしょうか。

 BS番組「城下町へ行こう」で紹介されていて、買ってしまいました。
 近江に赤こんにゃくという食べ物がありまして(これもワタシは好きです)、信長が「赤にしろ」と言ったから赤くしたという説があるくらい、信長は「赤好き」。
 氏郷は、当時まだ新しかった羊羹をさらに斬新に、信長に献上するために赤くしたのではないかと。
 殿にとっては嬉しかったのではないでしょうか。目をかけている青年からこんなもてなしをされて。
 またあるいは、当時にはすでにあった日の丸を意識していたとか。

 柳屋さんは、氏郷の御用菓子店として創業。氏郷が天正16年(もう秀吉の時代)に松阪に町を創る際に、共に移転したそうです。

 いざ、実食!
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 甘さ控えめ羊羹と最中を食べるという以上でも以下でもなく、また、日の丸を食べるというのも奇妙な感覚で・・・こういうお菓子が伝えられているというストーリーが大事なんです!
 安土城址に立つと、殿と同じ風景を見た気になりますが、殿と同じものを食べているという感動が言葉では言い表せないのは確かです。





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