ピロートーク








 眠っている先輩の顔が、目の前にあった。
 じっと見つめ、記憶の糸をたどる。



 腕枕のまま、寝てしまっていたようだ。



 先輩、腕がしびれているに違いない。


 頭を浮かし、そっと腕をずらそうとした。

 「美弥・・・?」
 「あ・・・」

 わたしの腰は先輩の方に引き寄せられた。

 「逃がさへん」
 「違っ・・・先輩、腕・・・しびれてないですか・・・?」
 「ん? あー、大丈夫や」



 ひた。
 先輩の手が頬に触れる。



 「えぇ子や」



 そう言って優しいキスをしてくれた。
 溶けそうな感覚を得て、わたしは震える。

 「まだ早いから、寝とき」

 深いくちづけを受けて、わたしはまどろむ。
 




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